■ はじめに:「お得」ってどこで決まる?
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、「節税しながら老後資金をつくれる制度」として注目されています。
でも本当に得になるかどうかは、出口=受け取り方によって大きく変わることをご存知ですか?
この記事では、
✅ iDeCoの基本
✅ 退職所得控除の使い方
✅ 一括 vs 分割 どちらが得?
という「出口戦略」を中心に、初心者にもわかりやすく解説します。
■ iDeCoの基本おさらい
- 掛金を毎月積み立てる(上限あり)
- 原則60歳以降に受け取れる
- 掛金が全額所得控除される(=節税!)
- 運用益も非課税
- 受取時にも控除制度あり
積み立て時・運用中・受け取り時、すべてに税制優遇があるのが最大のメリットです。
■ iDeCoの出口で差がつく!退職所得控除とは?
60歳以降になったら、積み立てたiDeCoを「年金」か「一時金(まとめて)」、またはその両方で受け取ることができます。
ここで重要なのが…
「どう受け取るかで、税金が大きく変わる」という事実!
▼ 退職所得控除とは?
「一時金」で受け取る場合に使える控除です。
勤務年数に応じて、税金がかからない枠が大きくなります。
▽ 計算式(ざっくり)
勤続年数 | 控除額 |
---|---|
20年以下 | 40万円 × 勤続年数 |
20年超 | 800万円 + 70万円 ×(年数 − 20年) |
たとえば、iDeCoに20年間加入していた場合は「40万円 × 20年 = 800万円」が非課税に!
つまり、800万円までの一時金なら税金が0円なんです。
■ 会社の退職金との合算に注意!
退職所得控除は他の退職金と合算されます。
そのため、会社の退職金と時期をズラして受け取ることで、控除枠を最大限活用できることがあります。
例:
- 会社の退職金をもらう → 翌年にiDeCoを一時金で受け取る
- 会社の退職金が少額 → 同年にまとめて受け取ってもOK
事前に「退職金見込み額」を確認しておきましょう。
■ 年金で受け取るなら「公的年金等控除」
「年金」として分割で受け取る場合は、公的年金等控除が適用されます。
こちらも年齢や金額に応じて控除されるため、税金が軽くなる仕組みです。
■ どっちが得?「一時金」 vs「年金」
比較項目 | 一時金 | 年金 |
---|---|---|
税制優遇 | 退職所得控除 | 公的年金等控除 |
一度に受け取れる額 | 多い | 少額ずつ |
課税対象 | 一部の利益のみ | 受取全額から一定額を引いた後に課税 |
向いている人 | 退職金が少ない人、まとめて使いたい人 | 定期収入を得たい人、税金を抑えたい人 |
■ おすすめの出口戦略【組み合わせ】
実は、「一部を一時金」「残りを年金」という併用も可能です!
✔ 併用の例
- 退職直後に数百万円を一時金で受け取り(退職所得控除を活用)
- 残りを年金として分割で受け取る(公的年金等控除を活用)
👉 このように組み合わせることで、税金を極力抑えつつ、計画的に受け取れます。
■ 注意点とアドバイス
- iDeCoは60歳まで引き出せないため、無理のない範囲での拠出を。
- 控除枠は「加入年数」で変わるので、長期加入が有利。
- 退職時期と受け取り時期の調整が「お得のカギ」。
■ まとめ
✅ iDeCoは「積み立て時だけでなく、受け取り方でも得が変わる」
✅ 退職所得控除を上手に活用すれば、大きな節税に
✅ 退職金との関係、受け取り時期、併用受取を事前に計画することが大切!
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