【実践できる】認知症の家族と穏やかに暮らすためのコミュニケーション術

介護施設・運営・介護日記

~イライラしない!寄り添う言葉がけと心の持ち方~

高齢の家族が認知症と診断されたとき、「どう接すればいいのか分からない…」と戸惑う人も多いでしょう。
認知症の症状は、物忘れだけでなく、感情の起伏や誤解による混乱も含まれます。

今回は、家族ができる穏やかなコミュニケーション術について、実際に役立つ考え方・声かけ例とともにご紹介します。


◆ 認知症の人が抱える「不安」と「混乱」

認知症の人は、自分が何かを忘れたり、思うようにできなくなっていくことに、強い不安やストレスを抱えています。

そのため、

  • 言葉がうまく出てこない
  • 同じことを何度も聞く
  • 急に怒り出す・泣き出す
    などの行動が見られるのです。

このようなとき、家族の対応ひとつでその後の関係性が大きく変わります


◆ 穏やかに暮らすためのコミュニケーション術5選

① 否定しない:「そんなこと言ってないよ」はNG

認知症の方が事実と違うことを言っても、否定せずに受け止めることが大切

×「そんなこと言ってないでしょ」
◎「そう思ったんだね。大丈夫だよ」

👉 本人の世界を壊さないことで、安心感につながります。


② ゆっくり・やさしい口調で話す

  • 声のトーンは優しく
  • ゆっくり、はっきり話す
  • 難しい言葉は避ける

👉 一度にたくさん話すと混乱するため、一文は短く簡潔に


③ 同じ話を繰り返しても、やさしく返す

「さっきも言ったでしょ!」ではなく、
「そうだったね~」と相づちで対応するのがポイント。

👉 家族は何度も答える必要があるけれど、本人にとっては“初めての質問”。その意識が大切です。


④ 「手を添える」「目を見て話す」など、非言語も意識

認知症が進むと、言葉の理解が難しくなっても“表情やしぐさ”の意味は感じ取れることが多いです。

  • 手を握る
  • 笑顔で接する
  • 肩をやさしくさする

👉 言葉がなくても、安心や信頼を伝えられます。


⑤ 生活のリズムを整える

穏やかな生活環境は、精神的な安定にもつながります

  • 朝起きる時間を決める
  • 食事・トイレ・入浴の時間をできるだけ一定に
  • 居場所の明確化(名前付きの物や部屋の表示など)

◆ 実際にあった「うまくいった声かけ」例

シチュエーションNGな声かけOKな声かけ
同じ質問をされる「さっき言ったよ」「そうだね。もうすぐ来るよ」
薬を飲んだことを忘れる「飲んだでしょ!」「心配だね。一緒に確認しようか」
不安で外に出たがる「ダメって言ってるでしょ」「ちょっと一休みしてからにしようね」

🥒 ゴーヤ先生の豆知識!

「認知症の人は“記憶”が薄れても、“気持ち”は残ってるんや。
やさしくされたこと、怒られたことは、ちゃんと心に残るもんやで~」


◆ 最後に:大事なのは「伝える」より「伝わる」こと

認知症の家族との暮らしは、簡単ではありません。
でも、「うまく伝えること」よりも、「安心させてあげること」「気持ちに寄り添うこと」が一番大切です。

小さな工夫で、コミュニケーションはぐっと穏やかになります。
どうかひとりで抱え込まず、地域の支援や介護サービスも活用しながら、家族みんなが笑顔で過ごせる時間を大切にしてくださいね。

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